こんにちは。さっとんです。
今回は、インフラエンジニアが扱う「クラスター」とは何かについて解説していきたいと思います。
新型コロナウイルスにて「クラスター感染」とよく言われます。
しかし、インフラエンジニアの扱うクラスターはそのようなネガティブなものではございません。
今回の記事は、現役インフラエンジニア等に見てもらえればと思います。
では、いきます。
クラスターとは?
クラスターとは簡単に言うとこのような物になります。
複数あるサーバーを一つのサーバーのように見せかけるもの
図に表すとこのような形になります。
この図で例えると2台のサーバーを1つの「VIP」としてまとめています。
VIP(Virtual IP)とは、仮想IPアドレスのことを指します。
ユーザーがアクセスするのは「VIP」のみになります。
その先の2台のサーバーについてはユーザーは意識しません。
クラスターの種類とは?
使用用途はこちらになります。
HA(High Availability)クラスターシステム
可用性を高めることを目的としたクラスターシステムとなります。
サーバーにクラスターソフトをインストール&設定するシステムとなります。
可用性とは「システムが停止することなく稼働し続ける能力」という意味となります。
基本的に稼働系/待機系の2台冗長構成となります。
冗長化とは、システムの一部が故障しても動作するように設計された構成となります。
噛み砕いた言い方をすると、「片方壊れても片方生きていれば問題ない」というものです。
稼働系→待機系への切り替わり方を図で表すとこのようになります。
※Act=稼働系 Sby=稼働系 App=アプリケーション
①稼働系がActiveの状態
※VIPへアクセスすると稼働系側のサーバーへアクセスされる
②稼働系が故障
③VIP、アプリケーションとも待機系に切り替わる
HA(High Availability)クラスターシステムとは上記の図のような構成となっております。
負荷分散クラスター
サーバーの負荷状況に応じて負荷分散するクラスターシステムとなります。
HA(High Availability)クラスターシステムのようにサーバーが故障してから切り替わるというものではないです。
こちらは、ロードバランサーという機器を使用します。
図で表すとこのような形になります。
ユーザーから見るとこのような形になります。
1.ユーザーよりVIP(192.168.100.254)へアクセス
2.ロードバランサーにて負荷が低いサーバー①へアクセス(192.168.100.1)
3.サーバー①(192.168.100.1)よりユーザーへレスポンスを返す
このように負荷分散する機能が負荷分散クラスターとなります。
クラスター製品の具体例
HA(High Availability)クラスターシステム
LifeKeeper
・「共有ディスク構成」と「レプリケーション構成」がある。
・クラスター構築がGUIにて視覚的に可能
・リソースの起動順序の変更も容易に可能
・WindowsServer&Linux両方に対応
Windows Server Failover Clustering (WSFC)
・WindowsServer専用のクラスターサービス
・WindowsServerの機能の一つ
・クラスター単体でのライセンス費用はない
※WindowsServer自体のライセンスは必要
負荷分散クラスター
負荷分散で使用するロードバランサーはこちらのものがあります。
Amazonの場合、こちらのロードバランサーが販売されています。
TP-Link ルーター 5ポート ギガビット 有線LAN マルチWAN ルーター ロードバランサ 5年保証 TL-ER5120
23000円程で購入できますので、試してみては??
インフラエンジニアの対応範囲
主にこのようになります。
HA(High Availability)クラスターシステム
→サーバーエンジニア
負荷分散クラスター
→ネットワークエンジニア
理由としてはこちらになります。
HAクラスターシステム
→サーバーにクラスターソフトをインストール&設定するため
負荷分散クラスター(ロードバランサー)
→ネットワーク機器の一種のため
このように、クラスターによってプロダクトを受け持つエンジニアが違います。
まとめ
・クラスターとは、複数あるサーバーを一つのサーバーのみに見せかけたもの
・HAクラスターシステムと負荷分散クラスターの2種類がある
・それぞれのクラスターシステムでエンジニアの担当が違う
HA(High Availability)クラスターシステム:サーバーエンジニア
負荷分散クラスター(ロードバランサー):ネットワークエンジニア
ここまで読んで頂き有難うございました!
よろしければ、過去記事も見て頂けると嬉しいです。